禁煙外来

「 禁煙をしたい方、自分では止められない方は是非一度ご受診下さい 」

たばこを吸える場所がなくなる、吸う人が減っている

最近(平成28年8月)厚生労働省から、『たばこ白書』が発表されました。受動喫煙が肺がんや大動脈瘤などの病気の危険性を高めることが明らかとなったので、今後は政府主導で公共の場所や飲食店での全面禁煙を進めていくという内容です。
2020年の東京オリンピックまでに、喫煙可能な場所は『どんどん』なくなって行くでしょう。なお、たばこを吸う人(喫煙者)の場合は、平成16年は、成人の26%(男性43%、女性12%)でしたが、平成26年には成人の20%(男性32%、女性9%)と大きく減少しています。

禁煙はなぜ難しいのか

『禁煙なんて簡単だ、私は何十回もしている』という笑い話がありますが、禁煙を自力で(根性で)実行することは困難です。
ニコチンは脳の受容体に結合して、ドーパミンを放出させ『幸福感』をもたらします。
禁煙してニコチンの血中濃度が下がると『不幸』になるので、また吸いたくなります。
いわば、脳がニコチンに乗っ取られている状態なのです。『幸福感』が人質ですので、自力での禁煙はとても困難ということがおわかりだと思います。

禁煙外来とは

『どうしても禁煙したい、けれどニコチン依存症のために自力禁煙ができない』という方をサポートするのが禁煙外来です。当院の禁煙外来では、主にバレニクリン(商品名をチャンピックス)という飲み薬を用いて禁煙をサポートします。
バレニクリンはニコチンの代わりに脳の受動体に結合して、ドーパミンを少量放出します。ドーパミンは『幸福感』をもたらす物質ですので、禁煙してニコチン血中濃度が下がっても『不幸』になりにくい(ストレスが減る)状態をつくります。
この状態で、もしたばこ吸ってニコチンが入ってきても脳の受容体には結合できないので、いつも感じている幸福感を感じません。それで『おいしい』と思っていたたばこが『おいしくなくなる』という仕組みです。禁煙状態を3か月維持すれば、禁煙成功となります。そして、この方法での禁煙導入成功率は70%以上と、自力禁煙の7%よりも格段に高いのです。

各種問診票のダウンロード

禁煙を希望する理由

禁煙外来を受診される方の理由はさまざまです。肺気腫や心臓病と診断された、咳や痰・息切れを減らしたい、自分や家族の健康のために、たばこ代が高くなった、吸える場所がない、禁煙に成功した同僚がいる、医師や家族の勧めで、などなど。
大切なのは禁煙したいという強い意思です。たばこを止めたい、けれどニコチン依存症のため自力禁煙がうまくいかない方は、禁煙外来で相談をしてみてください。

禁煙のメリット

たばこは吸う人にも吸わない人にも影響を与えます。
禁煙することで得られる効果はたくさんあります。

健康面

  • 咳や痰が止まった。
  • 味覚や嗅覚が敏感になり食事がおいしく食べられるようになった。
  • 口臭がしなくなった。
  • 肌の調子が良くなった。

金銭面

  • 健康保険を使って禁煙治療を受けた方がたばこ代より安く済む。
    ( 1日1箱460円のたばこを止める → 1ヶ月半で禁煙治療の自己負担額に相当!!)
  • 節約できた。
    ( 1日1箱460円のたばこを止める → 1年で約16万円の節約が可能!!)

家族や大切な人への悪影響が減らせる

【すぐに現れる症状】
  • 目の痛み、目がしみる
  • のどの痛み、咳
  • 心拍数の増加
  • 冷え性
【妊婦や新生児への影響】
  • 流産、早産
  • 乳幼児突然死症候群
  • 新生児の低体重化
  • 新生児の将来の肥満や糖尿病
【長期的な影響】
  • 肺がん
  • 副鼻腔がん
  • 子宮頸がん
  • 気管支喘息の悪化
  • 呼吸機能の低下
  • 脳卒中
  • 心筋梗塞
  • 動脈硬化
  • 糖尿病

禁煙外来Q&A

禁煙外来の流れは?
健康保険等による禁煙治療では、約12週間にわたり計5回の診察を受けます。

健康保険等を使った禁煙治療のスケジュール

(参考資料)日本循環器学会、日本肺癌学会、日本癌学会、日本呼吸器学会:禁煙治療のための標準手順書 第6版:2014

費用はどれくらいかかるの?
当院の禁煙外来における合計の自己負担額は※19,750円です。(3割負担として)

チャンピックスを使用した12週間の禁煙治療の費用(一例)

初診療+再診料 3,020円
ニコチン依存症管理料 2,890円
処方・調剤・薬剤情報提供料 1,040円
禁煙補助薬 12,800円
合計 19,750円

※チャンピックスを標準的な用法・用量で12週間使用すると仮定。費用は検査内容、処方される薬の量によって個人差があります。

12週間のタバコ代は?(1箱460円のタバコの場合)

460円×84(日) 38,640円
どんな治療をするの?
診察、呼気一酸化炭素濃度の測定、禁煙実行・継続に向けてのアドバイス、禁煙 補助薬の処方など
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